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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

 背の高い、細身で茶髪の男が斧を片手にこちらを眺めている。


「飲み込まれただけだから、まだ生きてるはずだ。それと、風貌からしたら、あんたら人間で勇者だな。どっちか手伝え」と男はそう言って、二人の前から去った。


「きゅう坊、うちはこの中から、食べられた人をなんとかするから、行って」


 純化はそう言って、カウンター裏にあったナイフを持ち出した。


「わかった。後はお願いします」と球也は外に飛び出した。


 外は倒れこむ人や逃げ惑う人で、パニックとなっていた。


 もう一体の巨大トカゲが暴れ、ドロドロした固まりの怪物が数匹徘徊している。


「これ、マジでRPGみたいだな」


 球也は、背負っていた陶器の盾を左手に持ち、右手には剣を構える。


「よし、まだ力が残ってる」


 そう言うと怪物めがけて突進していった。


「デェェーーヤァッ!!」


 球也は剣を振り回す。


「おっ!! まだ勇者がいたんだね」と赤いマントをまとった、金髪でショートボブスタイルの女が言った。


「?」


 女は手に小型ナイフを持ち、次々にドロドロした怪物を切り裂いていく。



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