テキストサイズ

修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

 男は斧を片手に、一人で巨大トカゲに向かって行った。


「死ね、バケモンがぁっ!!」


 あっちこっちに傷は負わせているが、致命的なダメージはまだ与えられていないようだ。


「クッソーーっ!!」


 男はネズミ色の石を出すと、小声で祈る。


「出てこい岩石の精霊。やつを潰せぇっ!!」


 男の手のひらから、雪だるまのように丸々とした石の精霊が現れた。


<ドゥオーーーン!!>


 精霊が吠えると、巨大トカゲの頭上にボーリングの玉ほどの岩がドカドカと大量に落下してくる。


 さすがの巨大トカゲも、これは一溜まりもない。


「コウヤ!! こっちは片付いたよ」とマントの女が合図する。


「じゃ、悪いがこいつの腹をかっさばいてくれ」男は女に指示を出した。


 球也はポカーンと、そのやり取りを眺めていた。




 店の中のトカゲを解体し、飲み込まれた人々の救出に成功した純化はあまりの気持ち悪さに、震えが止まらなかった。


 街の医者が数人、怪物の暴威に負傷した者を手分けして治療にあたっていた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ