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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

「ねぇ、純化さん。四人でやろう。このお兄ちゃんの精霊もすごかったんやで」


 球也はそう言ってネズミ色の石を指差した。


「あぁ、これの力な。そうそう、精霊って怪物の魂を食うと強くなるんだってさ」


 コウヤが石を手に乗せて言った。


「ええっ!! そうなの!!」と純化が声を上げる。


「そうなんだって。バンタリンさんが言ってたよ」


「あの人、私らには何も言ってくれへんかったわ」純化はまた顔を膨らます。


「あれ?」


 球也が石の数を数えると、何を思ったのか声を上げた。


「バンタリンさん、今日で精霊を4つ出したって言うてたけど……他に誰か出したんかなぁ?」


「あ、確かに。自分の用事で出したんちゃうの?」と純化が言った。


「違うで。人間が来て出したって、言うてたからもう一人いるんやできっと!!」


「て、ことは私達以外に、もう一人いるってこと?」莉子は人差し指を突き立てた。


「だと思います。つまり、五人いるんですよ」球也は手を広げて人数を示す。


「その、もう一人って、誰か気になるところだな」とコウヤはアクビ交じりで言った。



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