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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

 バンタリンが息を吹き返し、苦しそうにうめき声を上げた。


 四人は一斉に立ち上がり、バンタリンに近寄った。


「大丈夫ですか?」


 純化が声をかける。


 バンタリンはうっすらと目を開け、軽く頷く程度で反応した。


「ごめんなさい、僕が不甲斐ないために……ごめんなさい」球也は涙をためて、何度も頭を下げる。


 バンタリンがある方向を指差した。そして、口からドロッと白い物を吐くと、激しく咳き込んだ。


「大丈夫てすか?」と球也が心配そうに見入る。


「……向こう……方向……せい……れいのだいち」


 それだけ言うと、バンタリンはまた激しく咳き込んだ。


「精霊の大地?」


 コウヤはバンタリンが示した方角を指差した。


「俺が来た村の方向だな。その精霊の大地って所になにかがあるんだよ」


 コウヤはそう言って、一度外に出ると、バンタリンが示した方向を確かめた。


「間違いない」


 バンタリンは医者の指示のもと、店から出され担架のようなもので運ばれ、病院に向かった。


 四人はその様子を心配そうに見送った。



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