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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

「一応、プロデビューはして、何度も試合はしてるんだ。けど、ケンカとかと違って、体が軽いからすぐ投げられたり、力比べではすぐ押されてしまう。体を大きくしようと、キツい練習を何度もしてトレーニングもしてんだけど、筋肉は固くはなるんだが、まったく太くならないんだ」


「食事は? 結構食べるんじゃないの?」と純化が聞く。


「太りにくい体質なんだろうな……量も無理して食ったから、胃が弱くなったりしてさぁ。むいてねえのかな」


 コウヤは椅子にもたれて背伸びをすると、ハァーとため息をついた。


 この二人もそれぞれの悩みを持ってこの世界に来たようだ。


「太らないってのは羨ましいと思うけど、中にはそれを苦に思う形もあるんだね」


 莉子はそう言うと、肘を立てて顎をつけた。


「純化さん、どうしてここに?」と球也が聞いた。


 純化はフッと肩を落とす。


「うちは占い師の卵やねん。ただ、占い師のくせに、占えないんがうちの悩みやねん」


「占えない占い師って、なんなんだ? それって占い師じゃねえだろ」



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