無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　男性の部屋では……


「コウヤさん、もう寝ましょうよ……」


「ふんっ!!　ふんっ!!　先に寝てろよ……ふんっ!!」


　コウヤが汗だくになりながら、２０００回スクワットを含めた基礎トレーニングを始めた。




　翌朝。



　宿の食堂で先に朝食をとる純化と莉子。


　スープとパンとフルーツサラダのようなものがテーブルに並んでいる。


　コウヤが食堂にやってきた。


「おはよう。お！　うまそう」


　コウヤが席につくと、莉子が自分の皿に乗っている丸いパンをひとつコウヤの皿に置いた。


「えっ!?」突然の振る舞いにコウヤは面食らう。


「体大きくして、力つけてもらわないと……戦闘になったらレスラーさんが頼りだからね」


　莉子はスプーンで、パンを示した。


「お互い様だけどな……まあ、ありかたく頂くよ」


「あれ？　きゅう坊は？」と純化か球也がいないことに疑問を抱く。


「あ、あいつまだ寝てるよ。夕べは緊張して眠れなかったみたいだぜ」


　コウヤはサラダを頬張りながら言った。


　莉子は思った。


『この二人、普通に喋ってるじゃない。安心した』