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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

「おあよぉ〜ごじぇ〜ましゅ」気の抜けた声で球也が食堂にやって来た


「あ、おはよう、きゅう坊。寝れた?」


 純化がスッキリとした笑顔で、声をかける。


 面識もまったく無く、たいして打ち解けてない年上の方々に、先輩後輩の上下関係を叩き込まれた運動系の球也は、シュッと重い瞼を持ち上げる。


「あ、おはようございます!!」


 頭もちゃんと90度下げる。


「キュウ、朝食を摂って宿を出たら、軽くジョギングすっか?」


 コウヤが誘うと球也は引き締めた表情で「お願いします」と、また頭を下げた。


「えっ!? 二人共、夕べはなんの打ち合わせしたの?」


 莉子がキョトン顔で聞いた。


 水を一口飲みながら、コウヤは球也を親指で示す。


「種目は違えど、お互いスポーツマンだからさ。トレーニングはやっていこうって言ったんだ。で、みんな同じ勇者だけどさ、役割を決めて、アダ名で呼び会おうってことにしたいんだけど、どう?」


 コウヤが言うと、純化と莉子の頭に「?」が点灯した。


「役割って、なに?」と莉子が言う。


 テーブルに着いた球也がそれを説明する。



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