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時を越えて

第1章 時を越えて

私も負けじと向かって行った。

二人で揉み合ってるうちに持っていた鞄が床に落ちた。

それをもう一人の女の人が、落ちた鞄の中から飛び出していた手鏡を掴んだ。

そして「あなたこんな手鏡を持ち歩いてるんだ」と女は言った。

私はそちらを見た。

すると女はまじまじと私の顔を見ながら言った。
「今時手鏡なんてバカみたい!」と手から手鏡を放し放り投げた。

「駄目~それは壊さないで!」

私は今までにない大きな声で叫んだ。
(そうあれがないとこの時から現在に帰れなくなるよ、割れてしまえば……)

私は顔を覆いながら目の前が真っ暗になった。

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