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時を越えて

第1章 時を越えて

そして私は会場に戻り 何もなかったように自分の席に座った。

すると「響何かあったのか?」

奨が私の顔を覗き込んで 聞いてきた。

「大丈夫だよ!奨お兄ちゃん何でもないよ心配させてごめんね。」

「それなら安心したよ。」

そして奨が手を重ねてきた。 優しい温かい手だった。

その途端又胸の鼓動が鳴り出した。

私がその手を何気なく離そうとした時、より強く私の手を奨の手が掴んでいた。

私と奨は映画が終わり外へ出た。

「響手は大丈夫か?さっききつく握りすぎたな、 何故か響きがいなくなりそうな気がして咄嗟に。」

私はドキッとした。

「どうして?響がどこも行くわけないじゃない!変よお兄ちゃん」

「本当だな、どうかしてるなお兄ちゃんは。」

「そうよ。なんか今日のお兄ちゃんいつものお兄ちゃんじゃないみたいへんよ。」
( そういう自分もでしょ)

私は心で思いながら……

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