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時を越えて

第1章 時を越えて

帰り道「響、ネックレスつけるか?」と奨が言ってきた。

「今はいいよ。帰ってからで」と私は言った。

そして早く帰ろうと歩き出した時だった。

「響!」と奨が 歩きかけていた私の手を掴んだ。

私は急な事で後ろに引っ張られて倒れそうになった。

その体を奨が受け止めて抱きすくめられた。

「ちょ ちょっと奨お兄ちゃん!」

私はもがきながら奨の体を離そうとした。

でも余計に私を離さないように強く抱きしめてきた。

「どうしたの奨お兄ちゃん?」

私はその奨の衝動的な行動に驚いていた。

そして「…どうしよう響…」

切羽詰まったように奨は言った。

「お前を…どうしても…妹として…見れなくなった。」

私は一瞬耳を疑った。

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