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時を越えて

第1章 時を越えて

「ちょっと!待ってお兄ちゃん!」

でも私のその言葉を無視して続けた。

「あのお前の手鏡を守ったその時から……お前とはずっと仕事ですれ違いだっただろう…… その時に無性にお前と会えないことが辛いのを思い知らされたんだ……
それで気が付いたんだ響お前を愛していると 。」

私はその言葉を聞いた途端、あの時の胸のドキドキ感がまた戻ってきた。

(そんな!どうしようこの気持ち……どうしたら…)

私の目から涙が流れ出た。

「響!お前どうして泣いてるんだ。」

奨が驚いたように私の顔を覗き込んできた。

「…どうして……そんなことを言うの。今まで兄と妹としてうまくやってこれたのにどうして…お願いだから言わないで私の気持ちまで、 我慢してきたのができなくなるから。

私は胸に思っていたことを 言葉に出した。

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