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時を越えて

第1章 時を越えて

「えっ!響お前……」

「そうよ。最初は本当に奨をお兄ちゃんと思っていたの、でもあの事件で手鏡を守ってもらった頃から……ううん違う 最初出会った時からかも……

でもそれは無理なこと……」

「どうしてなんだ?」

「それは……」

(ダメ言ってはいけない私が本当の今いる現在から時を越えてここに来たことを。そして 現在には夫と子供がいること。
自分を見失ってしまうよ こんなことはあってはならない事コントロールがきかなくなる …)

私はパニック状態に落ちいっていた。

「何故なんだ? 言ってくれよなあ響」

奨が私の体を揺さぶって言った。

「ダメなの!それだけは言えないのごめんね奨お兄ちゃん。」

一刻も早くこの場を離れようと私は駆け出した。

その時だった。私のかばんが落ちたのも知らず、その中に手鏡と本が入っていたのに、しかもそれを奨が拾い上げたこともこの時はカバンが落ちたのも知る余裕がなかった。
何処をどう走ったかわからないぐらい動転していた。
(まさかこんなことになるなんて、違うわここに来た時から願望があったもの……でもそれは願望だけであって、あってははならない事だったのに なってしまった。)

そんなことを考えていたらいつのまにかマンションについていた。

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