
Perfect Romance
第10章 Happiness
あまり綺麗とは言えない駐車場に車を止めて
何とか舗装されている石段を登って行く
途中で、ロープの張られた老朽化したアスレチックの名残が幾つかあって
「小さい頃、ここに何回か来たんだ」
と、相葉さんが教えてくれた
「このアスレチックもね、ちゃんとコースになってたんだよ」
昔を懐かしむような、遠い目
今は使われてないそれが、少し寂しそうに見えた
石段を上がった所には、大きな広場と
赤い鉄塔があって
広場では小さな子がはしゃぎ回っている姿があちこちに見える
「鉄塔からね、見える景色が綺麗なんだよ」
相葉さんが、俺の背中に手を回した
鉄塔の脇に、歩道があるのが見えた
「ねぇ、相葉さん?」
「ん?」
「ここって歩きでも登れるの?」
「うん。ハイキング程度で行けるよ」
"登りたかった? " って言って、相葉さんがニヤリと俺を見る
「ただ聞いただけだって…」
運動嫌いなの、言ったじゃんか!
相葉さんの意地悪!
