
Perfect Romance
第10章 Happiness
大して高くない鉄塔の、上がれるところまで階段で上がる
それだけで息切れしてる俺と
平然としてる相葉さんの差は歴然で
さすがに相葉さんは
「かず、いくらなんでも運動不足過ぎ…」
ちょっと呆れた顔をした
「うるさい…」
しゃがみこみ、まだ肩で息をしながら
相葉さんを睨み付ける
自分でも実感したんだから、追い討ちかけないでよ…
「はい」
差し出される手
「え?」
「ほら、掴まって?」
その顔にはもう、呆れはなくて
ひたすら優しく微笑んでる
周りに誰もいないから、俺も素直にその手を取った
立ち上がると同時に引き寄せられて、素早く頬にキスをされる
「な…っ」
いきなりの事で声が出なかった
「可愛い」
不意討ちに真っ赤になった俺の髪を撫でる
「ば…バカ!」
恥ずかしくて思わず頭に置かれた手を振り払うと
相葉さんの目尻の皺が深さを増した
だけど、握った手は離さない
いや、離してくれない
