
Perfect Romance
第10章 Happiness
まだ夕焼けを見るには早すぎるのと、別段これといった何かがあるわけじゃないこの場所から
移動しようかと言い出したのは相葉さんだった
自分で誘っておいて…って思わず口にしたら
「だってこの景色を見せたかっただけだから」
屈託のない笑顔で返されて
「こういうデートも、なかなかでしょ?」
なんて言いながら、駐車場に向かって歩き出した
かと思ったら
途中、来るときに見たアスレチックの名残の道に手を引っ張られ
土のコース跡をしばらく辿り始めている
「相葉さん?車に戻るんじゃないの?」
「もう少し」
それしか答えずに、手を引く相葉さんに
俺は付いて行くしかなかった
あちこちに黄色いテープが張られたそれを横目に
下って行って
広場の声も全く聞こえない、静かなとこで相葉さんは足を止めた
「随分静かな場所だね…」
周りをキョロキョロしてみるけど、木に覆われて何も見えない
多分、もうここまではアスレチックが廃止されてからは人も来ないんだろう
