
Perfect Romance
第2章 忘れられない
翔ちゃんから連絡が入ったのは、終業間際だった
明後日、打ち合わせと称してアポを取ったから
にのを同行研修として連れて来ると言ってくれた
…だから自分で連絡先は交換しろって
そりゃもちろん
自分でやるに決まってるでしょ
にのに会えると思ったら嬉しくてたまらない
だけど
さっきの資料のやり直しなんて気にしな…い訳には行かなくて
終業時間だけど、俺は残業決定
不憫に思ったのか、大ちゃんが一緒に残って手伝ってくれることになった
誰もいないフロアでは
俺と大ちゃんの
キーボードを叩く音だけが響いている
大ちゃんが買ってきてくれたおにぎりをパクつきながら、訂正箇所を直していく
「雅紀、後どれくらい?」
「…あと2ページ分」
「なら、1枚貸せ」
大ちゃんは処理が早い
俺がもたついてる間に半分以上終わらせていた
「ごめんね、大ちゃん」
「いいから、気にすんな」
"その代わり飯奢れ "
大ちゃんがニヤリと笑う
「…ラーメンでいい?」
「もちろん」
30分程集中して、ようやく終わったのは
21時を回っていたところだった
