
Perfect Romance
第12章 我が儘でもいいから
「マジか……」
「どぉすんの…」
喫煙所を兼ねた休憩室
二人で吐くのは大きなため息ばかり
「後1ヶ月って…仕事もあんのにどうすんの?」
手にした缶コーヒーを大ちゃんに手渡しながら、思わず眉間に皺を寄せた
「だよなぁ…」
サンキュ、とそれを受け取った大ちゃんもまた、盛大なため息を吐いた
まさかの大抜擢
…と言うか、たまたま取れた契約がやたら大きくて
それこそフロアどころか社運を賭けたプロジェクトに参加しなくちゃいけないなんて
青天の霹靂ってこういう事なんだろうか
「んなもん、自信ねぇよ…」
「大ちゃんがなきゃ、俺はそれ以上だよ…」
また二人、顔を見合わせて
「「はぁぁぁぁぁ」」
…でっかいため息を吐いた
「決まったもんはしゃあねえ、やるしかないか」
大ちゃんは切り替えが早い
コーヒーをごくっと飲み干すと、さっきまでの困り顔はどこへやら
あっという間にやる気を見せ始めた
