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Perfect Romance

第12章 我が儘でもいいから


電話越しでも伝わる、かずの不穏な空気

勢いで言ってしまった言葉に今さら後悔しても、もう遅い

『何勝手に決めつけてんの?
…お前、最低』

かずは低い声でそう言うと、通話を切ってしまった

慌ててかけ直してもコール音が虚しく鳴るだけで、出てくれない

LINEにいれても既読は付くけど完全スルー


怒らせたくて電話したんじゃないのに

かずだって、仕事だから仕方ないって我慢してくれてるの分かってるのに

こんな状態で明日から仕事詰め?

何やってんだよ、俺…

かずと上手くいってるからって、調子に乗った罰だ

返信なんか来ない事は承知で
俺は謝罪と、会えなくなる寂しさを女々しいとは思いながらも、LINEに打ち込んだ


だけどこの日、それに「既読」が付く事はなく

俺は眠れないまま朝を迎えるはめになった


朝になっても付かない「既読」

すぐにでもかずに会って、ちゃんと話したい
…だけどそれをする時間もない

どうしよう
このままなんて、絶対嫌だ

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