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Perfect Romance

第12章 我が儘でもいいから


「何言ってんの…」

「だって本当だもん。車だってガソリンが必要でしょ」

「…俺はガソリンか」

「そういう事。だからかずがいないと動けないの」

見つめあって、二人で笑う

「あのね、かず」

「ん?」

「我が儘なんて思わないで、会いたいって言ってよ
…もう、こんなシカトは嫌だよ」

「…ごめん」

「かずが忙しくなっても、俺は会いたいって絶対我が儘言うよ」

かずが、小さく笑う
そして、俺の頬を両手で包んだ

「我が儘、言っていいの?」
首を傾げて俺を覗き込む

「勿論」

「分かった。…これからはそうする」

そう言って、かずから触れるだけのキスをしてくれた

「…ねぇ、今それやられるとヤバい」

「プロジェクトが終わったらね」
悪戯っぽく笑って、かずがパッと俺から離れた

「そんなぁ…」

「会社、戻らなきゃダメなんじゃないの?」

…そうだった
まだ仕事の途中だった

「離れたくない…」

「その我が儘はダメ!」
ー…大野さんが怒るよ!

そう言って、かずがどこかに電話をかけ始めた



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