
Perfect Romance
第12章 我が儘でもいいから
「まーったく!世話の焼ける奴らだな!」
今、俺は翔ちゃんの車の中
かずも一緒に乗っている
俺がかずに会いに向かった事を大ちゃんがすぐに翔ちゃんに伝えていて
だけど翔ちゃんからかずには内緒になってて
翔ちゃんから「後で電話しろ」と言われてたかずがそれに従って掛けたら
俺を会社に送ると言う話がまとまってた
大ちゃんが、俺が血迷って帰って来なかったら困るからと、翔ちゃんに言ったらしい
…いくらなんでもそれはしない
……と思う
「二宮も、もっと素直になれよ!」
「…すいません」
「雅紀も!智か迷惑すんだぞ?!」
「…ごもっともです」
翔ちゃんから、散々説教されながら
俺は会社まで送って貰って
「ありがとう、翔ちゃん」
この『ありがとう』には色々込めた
「頑張れよ!」
翔ちゃんが笑って送り出す
「うん!…かず、頑張ってくるから待っててね」
かずは無言だけど、笑顔で頷いてくれた
走り去る車を見送って
俺は走ってフロアに戻った
