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Perfect Romance

第12章 我が儘でもいいから


体も気持ちもリフレッシュして、リビングに入ると
肉の焼ける良い匂いが漂っていた

あれ?
惣菜買ってきたんじゃなかったの?

「あ、もうすぐ出来るよ」
にっこりと笑ったかずが、座れと促した

「…作ってくれてんの?」
忙しなく動くかずが、まるで奥さんみたいで
俺は顔がにやけて止まらない

「簡単なやつだよ。味付きの肉だし」
なんて言いながら、少し頬を染めちゃって


どこまで俺をドキドキさせるんだよ
この可愛いいきものは


「あ、この野菜はしっかり食べろよ」
でん、と置かれた大豆やら何やら、栄養満点であろうサラダもどきを俺の目の前に置く

「うへぇ……」
苦手なの分かってて、たっぷり入ったひじきに

可愛いけど可愛くない!
…心の中だけで文句をつけた



「お疲れさま」
冷えた缶ビールを軽く合わせ、喉に流せば
暫く飲んでいなかったからか
やけに胃に染みた

「食べよ」

「いただきます」

久しぶりの人の作ってくれた手料理は
幸せしか感じられなかった

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