
Perfect Romance
第3章 ここから始めよう
背中がゾワゾワする
男が男にモテるなんて言われて嬉しいわけがない
「ま、何かあったら助けてやるから安心しろよ」
…普通に聞いたら格好いいセリフなんだけどな
「あ…モテるで思い出した」
「え?」
「お前、雅紀のメール、フルシカトしてる?」
雅紀…
ああ、相葉さんの事か
「…はい、してます」
隠しても意味ないから、素直に答えた
「なんで?」
なんで?って…
苦手なんだよ。人付き合いが
オトモダチ…ってやつが
会社とか、最低限の付き合いは出来るけど
プライベートに踏み込まれるのが嫌だ
一人でいる方が楽だから
それに
しつこいんだもん
毎日毎日、飽きもせずにメール寄越して
最初こそ…ってか1回だけ義理で返したけど
何だか面倒になってそれからはシカトした
それなのに、懲りないのか毎日メールが来る
「俺、人付き合い苦手なんです。それに、毎日ストーカーみたいにしつこいんですよ…」
「ストーカーって!」
櫻井さんがぷはっと笑った
「だって…本当しつこいんだもん」
俺は思わずため口になって、メールの受信ボックスを開いて櫻井さんに見せた
見事に「相葉雅紀」で埋め尽くされている
「すげー!雅紀だらけ」
それを見た櫻井さんが更に笑う
「でしょ?…まあ、メールなんか他には滅多に来ないけど」
「騒いでるだけあるな~」
「え?」
「煩いんだよ。二宮に会いたい会いたいって。飲むと更にヒートアップしちゃうし」
そうだ。毎回断ってるから行ってないけど、あの初対面以来、ちょくちょく俺以外の3人で松本さんの店で飲んでるんだ
「何で俺にそこまで執着するんですかね」
ため息混じりの声色が低くなる
「そりゃー、二宮に惚れたからでしょ!」
