
Perfect Romance
第3章 ここから始めよう
俺は大野さんから櫻井さんに言われて困る事はないはず…
「最初の遅刻。…本当は寝坊して走ってた二宮くんが飛び出してきたんだよねぇ。俺が轢きそうになったんじゃなくて不可抗力だったなぁ」
「な…っ」
「翔ちゃん、本当の事知ったらどうなるかなぁ。あの人、遅刻とか寝坊、大嫌いなんだよねぇ」
大野さん、良い人だと思ってたのに!
何このブラック感
櫻井さん、せっかく最近は鬼が成りを潜めてるってのに、鬼に戻られたら困る、非常に困る
「ねぇ?二宮くん、どうする?」
ひどい…
これで、俺が断れるわけないじゃんか!
今までフルシカトしてたのは一体何だったんだよ
大野さん、二重人格?
「…分かりましたよ!1回だけでいいんですよね?」
ガックリと肩を落とす俺の横で、櫻井さんが笑いこけていた
うなだれたまま、スマホを返す
「分かった。伝えとく…うん、じゃあね」
短く大野さんと話し、通話を終了させた櫻井さんは
まだ、面白くて仕方ない、と言った感じで俺を見た
「今週の金曜日、7時に潤の店ね」
…もう、逃げ道はなかった
