
Perfect Romance
第3章 ここから始めよう
…約束の金曜日。
今日は朝から何回ため息が出たか分からない
現に今も、松本さんの店の前で立ち止まっている
あのテンションについていけるのか、俺…
とは言え、約束は約束
大野さんのブラック感と櫻井さんの鬼再来には敵わない
もう一度、大きなため息をついてから、…ゆっくりとドアを開けた
「いらっしゃい…あ、二宮くんだよね。久しぶり!」
松本さんがカウンターからにっこりと笑った
1回しか来てないのに、覚えててくれた事に驚きながらも、ちょっと嬉しくなる
「あの…相葉さんは…」
「先に来てるよ。ほら」
奥のテーブルに顔を向ける
それに気付いたのか、満面の笑みで相葉さんが手を振った
軽く松本さんに会釈してから、相葉さんの座るテーブル席に向かった
「…こんばんは。お久しぶりです」
散々シカトしておいて…な気もするけど、「大人」として仕事用の笑顔を浮かべておく
「ありがとう。来てくれて嬉しいよ」
あれ?相葉さん、初対面よりもかなりおとなしい
…正直、しょっぱなから「にのー!!」って来ると思って身構えたのに
「座って?…何飲む?あ、夕飯まだだよね」
何かたまるものがいいかな、とメニューを差し出す
「飲む時はあんまり食べないから…とりあえずビールで」
「そっか。じゃあ、軽く適当に頼むね」
相葉さんはやっぱり落ち着いたまま、松本さんに声を掛けた
