
Perfect Romance
第3章 ここから始めよう
「まずは乾杯しよ」
運ばれてきたビールを持つ
「あ、うん。お疲れ様」
「お疲れ様でした」
ビールジョッキを軽く交わし、まずは乾いた咽を一気に潤した
「あー…うまいっ」
くーっと味わう俺を相葉さんが嬉しそうに見つめる
「良い飲みっぷりだねー」
「仕事後は特にね。明日休みだし」
普通にしてれば会話は出来る
相葉さん、落ち着く事できるんじゃん
それからは、仕事の話とか他愛ない話でそこそこ盛り上がった
ビールを何杯か重ね、ほんのりと酔いが回った頃
「ごめんね、にの」
ふいに謝ってきた相葉さん
「今日、無理して来てくれたんだよね。大ちゃんに言われて…」
「それは、アナタが大野さんに迷惑掛けまくったからでしょうが」
ブラックな大野さんに脅された言葉は黙っておいた
俺にも、一応原因はあるわけだし
「だって…にの、全然返事くれないんだもん」
「最初に断ったでしょ。それなのにしつこくメール寄越されたらさ、面倒になるよ」
それに、"人付き合いは苦手だ " と言葉を続けた
「俺ね、基本友達とか必要としてないの。1人が気楽でいいんだよ」
少し酔ったら、スラスラと言葉も出てくる
そのうちに、今まで誰にも言わないでいた自分の本心までも喋ってしまった
「もう、裏切られるの嫌なの。だから1人がいいの。人を信じるのも…」
ここでようやく、自分が喋り過ぎた事に気付いた
相葉さんが、真剣なをしてじっと俺を見つめている
「…俺が嫌いでシカトしてたんじゃないの?」
「嫌いとか、そんなんじゃないよ。1回…いや、2回しか会ってないのに…」
