
Perfect Romance
第16章 告白
でも、俺からしたら大ちゃんが羨ましくて仕方ない
だって、好きな人と一緒にいられるんだよ?
家に帰ったら、大事な人が「おかえりなさい」待ってるんだよ?
…もちろん逆も然りだけど
「はいはい、ご馳走さまです」
棒読みで適当に返したら
「あのにゃー…だから俺、お前の」
「上司、でしょ」
「うん」
大ちゃんが、ププっと小さく吹き出すから
俺もつられて一緒に笑っておいた
「ほら、いつもの…飲むだろ」
大ちゃんが体を起こして、ブルーの水筒を取り出す
「うん!」
サラリーマンに似つかわしくない水筒には、翔ちゃんの愛が詰まった健康茶
何でも、漢方のお店で特別に調合してもらってるらしい
…それを、毎日持たされてる大ちゃんは
毎朝俺にもお裾分けしてくれるんだ
翔ちゃんが、俺にも飲ませろって言ってるんだって
言わなくてもくれちゃうのが大ちゃんだけど
ホント優しいよね、翔ちゃんって
…そう言う気遣いとか、俺には出来ない
「いつも思うけど…翔ちゃんってお母さんみたいだよね」
「料理は出来ないけどな」
そう言って笑う大ちゃんの目は、凄く優しかった
