
Perfect Romance
第17章 新たな決意
そんな急いで出なくても…と思いながらも
相葉さんの声を聞くとホッとするのは
やっぱり実家のくせに何処か落ち着かないからなのかな
スマホ越しの息遣いまでも嬉しく感じてしまう
「かず…今日は泊まるの?」
「ん…話出来なかった」
「そっか」
…だけど、これ以上何を話して良いか分からない
多分、口を開いたら
相葉さんの優しさに甘えて母親の愚痴を言ってしまいそうな気がする
相葉さんなら、きっと黙って聞いてくれるんだろうけど
ここは俺が乗り越える問題であって
1人で越えてこそ、堂々と相葉さんと暮らせるものなんだと思う
「かず、明日は帰るんでしょ?」
相葉さんは黙ってしまった俺に何も言わず
優しく、問いかけた
「うん。…あのさ」
「昼過ぎに着くように行くから、住所教えといて?」
あれ?
何で俺が早く帰りたいって分かったんだろ
まだ何も言ってないのに…
ああ、そうか
それが「相葉さん」なんだ
