
Perfect Romance
第17章 新たな決意
「…なかなか遠いね」
住所を聞いた相葉さんが、さすがに困ったように笑う
「いいよ、電車で帰れるから」
“無理しなくていい“ と言いかけたら
「俺が行きたいから行くの」
すぐに返してくれる優しい言葉
「…ありがと」
それから少し話して、リビングに戻ると
親父がニヤニヤして笑って俺を見ていた
「…なに」
「電話、彼女か」
子どもみたいにワクワクした顔
良い年して何て面してんだ
親父の言葉を無視して、ソファーに腰を降ろすけど
「お前いい人いるのか?」
尚も聞いてくるから
「……」
それも無視してグラスを傾けた
だけど
ほろ酔いの親父は引き下がる事はなく、むしろ久しぶりの息子に絡みたいだけのようで
…こうなるとしつこいのは、多分昔から変わらない
「なあなあ和也~」
…その変な喋り、ヤメロ
段々と面倒になった
今のうちに、親父に言いたい事だけ言って寝てしまおう
そう決めた俺は、グラスを置いて
ニヤニヤしてる親父を軽く睨み付けた
