
Perfect Romance
第17章 新たな決意
「…親父、真面目に聞いて欲しいんだけど」
俺の真剣な目に気付いたからか、親父のにやけ顔がピタリと治まった
それを見て、俺も姿勢を正すと
「分かってる」
俺が口を開くより先に、親父の方から切り出した
「あのな…」
「え?」
「いや、お前には本当申し訳ないと思ってる
…殆ど家にいなかったのは、自分も母さんから逃げてたからな」
「親父…」
ー…逃げてた
やっぱりそうだったんだ
…自分が就職して、世間を知るようになってから
そうじゃないかとは薄々とは感じていたけど
親父の話では
母さんは元々ひどい焼きもち焼きで、最初はそれも可愛いと思っていた
だけど
それが束縛に変わって、息が詰まるようになるまではあっという間だった
俺が生まれたのを良い事に、仕事を言い訳に帰る時間をわざわざ遅くした
出張も、自ら進んで引き受けるようにして
転勤話は、同僚に来ていた話を彼が迷っていたから敢えて変わったんだと
初めて事実を聞かされた
