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Perfect Romance

第23章 Perfect Romance


前よりは泣かなくなったのに

ふとした時にかずを思い出すと、知らず涙が溢れてくる


諦めたつもりはない
かずは帰ってくると信じている


だけど時々
心が折れそうになるんだ


もう会えないんじゃないか
このまま、あの時間はなかった事になってしまうんじゃないかって



かずに貰ったネクタイは
クリーニングして大事に閉まってある

かずが戻ってきたら、また付けられるように
綺麗なままにしておきたくて





「あ……」
スマホの着信音

翔ちゃんからだ


「はい」
『雅紀?ちゃんと生きてるか?』

「大丈夫だよ」
小さく笑う

最近は、翔ちゃんも大ちゃんも
生存確認から入っている

『…相変わらず暗い声だな』
「それはしょうがないでしょ」

冗談も、言えるようになった

だってこれ以上、翔ちゃん達に迷惑掛けられない


『二宮の事、総務から聞けたんだ』
「え…?」


『アイツから、連絡来たって』


目の前が、少し明るくなった気がした



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