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Perfect Romance

第23章 Perfect Romance


でもさ…

「…信じてるけど……信じたいけど

さすがに自信なくなって来ちゃうよ」

最後は声が震えた


耐えてたものが、抑えてた感情が
翔ちゃんの優しい声に引き出されていく


「雅紀……」
「ごめん。ちょっとだけ……」


「いいよ。我慢すんな」

そう言って、翔ちゃんはスマホの向こうで切る事もせずに俺が落ち着くまで付き合ってくれた



時々押し寄せるどうしようもない悲壮感

この時だけは、自分の感情を止める術は俺には持ち合わせていなかった






ねぇ、かず

今どこにいるの?

少しは俺の事考えてくれてるの?



俺ってさ
かずがいないとこんなにダメダメな奴だったんだね

自分でもびっくりだよ





「はぁ~、なんか言うだけ言ったらちょっとスッキリ出来たかも」

『よくまあ、そこまで溜め込んだな』

「あはは、そうだね」


翔ちゃんの優しさに甘えて、女々しいのを承知でひたすら愚痴った

何気無く時計を見たら、ゆうに30分以上経ってる



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