
Perfect Romance
第6章 言えないキモチ
はぐらかした、つもりだったけど
相葉さんにはしっかり聞こえていたらしい
「ねぇ、にの?」
「ん?」
「…何を、伝えるの?」
不思議そうに俺を見つめてくる
…言えない
とてもじゃないけど、恥ずかしすぎて無理
でも相葉さんが不安になってるって聞いたら
このままじゃいけないのも分かってる
どうしよう
どうすればいい?
俺は椅子に置いたビールを掴んで
まだ殆ど手を付けてないそれを、一気に飲み干した
「え、にの?」
相葉さんが目を丸くする
そして
更に相葉さんの分も掴んで一気に煽った
こんなのシラフじゃ言えないもん
櫻井さんに「飲み過ぎるな」って言われたけど
それどころじゃない
それに、緊張のせいか
全然酔えない
ただ、頭はフワフワしてきている
「相葉さん!」
フワフワに任せて、相葉さんの頬を両手で挟む
「は、はい!」
勢いに押された相葉さんは、何故か改まって背筋を伸ばした
「……好き」
聞こえた…かな?
