テキストサイズ

Perfect Romance

第6章 言えないキモチ


顔を挟む手に思わず力が籠る

「にの、痛い痛い痛い!」
「あ、ごめん」

慌てて頬から手を離す

「…とりあえず、ビール買ってくるから待ってて」
挟まれてちょっとだけ痕の付いた頬を撫でた相葉さんが立ち上がり
財布だけを持って席を離れた

「ちょっと落ち着こうね」
そう言い残して歩き出す

…なんだ、相葉さん分かってんじゃん
俺が何か言いたくて仕方ない事

だからこうやって、さりげなく席を離れてくれて

でもその言いたい事が何かまでは行き着いてないみたいだけど


1人残されて、大きな溜め息を1つ吐いた

改まって…なんてとてもじゃないけど出来そうにない

でも、良く考えたらこんなに大勢の人の前でってのも有り得ないから


……どうしたらいいのかなぁ


夕暮れの空を見上げて
一人、小さく呟いた



ストーリーメニュー

TOPTOPへ