
Perfect Romance
第6章 言えないキモチ
「ビール買ってくるね」
席を立って歩き出したのはいいけど
にのの様子が気になって仕方なかった
俺に何か言わなきゃ、としてるのは分かるんだけど皆目検討が付かない
いきなりほっぺたを挟まれた時は、平静を装ったけど心臓がヤバいくらいにバクバクして
それこそ、そのまま手を握ってチューでもしちゃいたいくらいで
まだそんなに酔ってはいないけど、少し潤んだ瞳は俺にはキケン過ぎる
…ビールを理由に逃げるように席を立ってしまった事、
果たしてにのはどう思ったのかな
一番近い店で注文しながら、にのを伺い見ると
物思いに耽るかのように空を見上げていた
…やっぱり迷ってる?
俺と、付き合う事に
ー…後悔なんかしてない!って確かに言ってはくれたけど
元々バイな俺と違って、にのは完全なストレート
『はいそうですか』って軽くいけるもんじゃないよね
いつもなら、好きになればグイグイいけるのに
にのに関しては自分でも驚くくらい臆病になってる
