
キラキラ
第31章 イチオクノ愛
五人揃っての冠番組の仕事は、いつになくチームワークも良く、対決ゲームは快勝。
だけど、翔ちゃんと松潤のツーショットを見てしまうといらないことを思い出すから、俺はひたすらにのちゃんだけを見てた。
すると、たまに、俺の視線を感じたにのが、恥ずかしそうな迷惑そうな顔をして、そんなにみんなよ、と言わんばかりに、俺を睨んでくる。
そんな仕草が可愛くて、俺は終始にのちゃんにへばりついてやった。
抱き締めたくなる衝動をおさえるのには苦労したけれど。
「にのちゃん、今日はこれで終わり?」
「……ん」
「行っていい?」
「ん」
はた目からみたら、そっけないようなやりとり。
でも、こんな意志疎通すら、今の俺には嬉しくてしょうがない。
だって、半日前までは、「わん」と、「くぅ」しかいえなかったんだぜ??
「……うち、いま、何もないよ?」
「買い物して帰ろ。何食べたい?」
ふふっと笑うと、にのはちょっと考えて、
「しょうが焼きかな……」
と、呟いた。
お安いご用だ。
「オッケーオッケー。うまーいの作ったげる」
「……ビールつけるね」
「やった」
にのちゃんと囲む夕食。
当たり前と思ってることが、当たり前にできることは幸せなんだと、今、すごく思う。
