
キラキラ
第31章 イチオクノ愛
一度、火がつくととめられないのが俺。
軽く重ねただけの唇は、すぐに深いものにかわった。
にのは、最初こそ抵抗したものの、次第に俺の背中をつかむ手に力を込めはじめて。
やがて、自ら口を大きくあけだし、舌を差しだしてきた。
いつものにのは切れ味抜群の鋭い言葉と、洞察力で、隙をみせないのに。
俺の前でだと、こんなに拙くて、頼りなくてまさしく仔犬。
……もう、マジで目眩がするほどくそ可愛いー!
すがりついてくるにのを抱き締めながら、お互いに舌を絡め、甘い口内を存分に味わってると、にのの口元からこらえきれないあえぎ声がもれてきた。
「ふぁ…………ん…………ん」
「にの……はぁっ……ん」
鼻にかかった甘い声。
「ん…はぁ……はぁ……んん」
徐々にか細くなってくる声は、感じてきてくれてる証拠だよね。
……なんだか泣きたくなってきた。
ずっと他人様のエッチを見てるだけで、にのに触れることもかなわなかった一週間。
完全に、にの不足だったんだ、俺。
俺は、キスを繰り返しながら、Tシャツのすそからそっと手を入れた。
すべすべの柔らかな肌を撫で上げると、にのの体がぴくりとはねた。
反応のひとつひとつが、いとおしすぎて。
キッチンの壁ににのを押し付け、ひたすらに貪るように、キスをした。
いよいよ息も上がり、苦しくなったころをみはからい、唇をはなすと、唾液に濡れ真っ赤な唇を小さく開けて、ハァハァと、呼吸を繰り返す。
そんなにののおでこに、コツンと自分の額をくっつけた。
間近でみるにのの上気した顔は、あきらかに情欲の色を滲ませてる。
「……にの……ごめん、すぐ抱きたい」
低く囁いた。
そして俺も。
我慢できない。
にのは、潤んだ瞳を細めて、
「…ベッド連れてってよ」
と、微笑んだ。
