
キラキラ
第32章 バースト 8
熱っぽい吐息が指にかかる。
…熱…高そうだな……
そのまま、そっと紅潮してる頬に指を滑らせた。
いつもヒヤリとしてる頬は燃えるように熱い。
俺の手のひらが、少しでも気持ちよかったらいいのにな、と願いをこめて、その頬を包みこんだら、翔の瞼がピクリと動いた。
ゆるりと開いた瞳が、ぼんやりと宙をさまよい、
「…………」
俺に焦点をあわせた。
……俺はにこりとして声をかけた。
「……大丈夫?」
「じゅん……?」
掠れた声。
こんなに、弱々しく張りのない声、出会って初めてだ。
いつも強く、エネルギーに満ちあふれたチカラと優しい笑顔で俺を包みこんでくれてる翔が、こんなにも頼りなく横たわってることが、なんだか信じられない。
ちょっと可愛いとすら思ってしまう俺は不謹慎かな。
翔が、なんで来るんだよ……、と、目を細めて小さく笑った。
「来ちゃだめだった?」
「……カッコ悪ぃじゃん」
「ふふ……うつるよっていったのに。キスするからだよ」
「……こんなテキメンにうつるなんて思わねーもん……」
情けない声で呟く翔。
俺はクスクス笑って、俺がこないだしてもらったように、翔の髪の毛をそっと撫でた。
「ごめんね……しんどいでしょ」
「…しんどいというか………くっそ寒いわ……」
「ああ……まだ熱あがってるのかもね」
よくみれば、翔の体は少し震えてる。
俺は両手で、翔の手のひらを握った。
翔は、ふっと微笑んだ。
「お前の手……あったかい」
「そ?なんなら、抱き締めてあげよっか?」
調子にのって軽口をたたいたら、翔は潤んだ眼で頷いた。
