
キラキラ
第32章 バースト 8
体をそっとずらして確認すれば、ホッとしたようにもみえる無防備な顔。
さっきまでの寒くて辛そうにしてる表情はなくて安心する。
胸のあたりに感じる吐息は相変わらず熱いけど、深い眠りは、より早い回復を促してくれるだろう。
……俺の体をくっつけて眠れるなら、もう少しこのままでいようかな。
空調のきいたこの部屋は、真夏の湿気とは皆無な環境だから、二人で布団にいても特段暑苦しくもないし。
俺は翔の背中から、ゆっくり手を下におろし。その腰を引き寄せた。
早く元気になって、次はその腕で俺を抱きしめて。
力強い笑顔で、潤って呼んで。
俺以外興味ないんでしょう?
次はちゃんと言うから。
俺じゃない人と、お茶なんか飲むなって。
誕生日は、俺のために休んでって。
あなたのこと誰よりも好きだから。
すこしだけ我儘になってみるよ。
…………覚悟してね。
俺は、翔の熱い額に静かにキスをした。
fin.
