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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟

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なんか……おかしくない?……ってか、絶対変じゃない?


俺の不信感は1ヶ月をすぎたあたりから、ふつふつと沸き上がってきていた。

いくらなんでも1ヶ月もあったら、危篤な人も持ち直すか、最悪の事態になるか、なにか変化あるだろう?


だいたい、タエは母上についてて。ミヤは俺についてて。

二人ともこの城になくてはならない人間なのは、自分たち自身でわかってるはずなんだから、状況のひとつくらい文をよこすはずだ。

二人とも、義理堅くきちんとした人だもの。
それなのに、あれ以来報告のひとつもいれずに、こんなに俺らをほったらかすなんて。

母上にきいても、わからない、待ちましょうの一点張り。
しまいには、母上まで疑っちゃう。
こんなに、タエが長い間いないのは、おかしいと思わないのかよ?!


「……ぜーったいおかしい!」


呟いて紅茶のカップをガンとおいたら、目の前のジュンが、驚いた顔をした。


「……どうしました?」

「……いえ」


すると、反対側で俺の様子をじっと見ていたらしきショウがくすりと笑った。


「ミヤさんがいなくて、寂しくてしょうがないんですよね……?」



…………。


俺は、口をへの字にして、黙ってうつむいた。


俺が、ミヤがいなくて寂しがってるという報告がマサキから、ジュンとショウにいき、二人が日にちをあわせて俺に会いに来てくれたのは、まあいいが。

……俺の寂しさは誰にも埋められないよ。

二人には悪いけど、ミヤの代わりには誰もなれない。

たくさんの贈り物や花も、美味しい紅茶も。
なんの慰めにもなりゃしない。


…………もう。無理。



ずっとずっとモヤモヤしてるのに、俺はいよいよ耐えられなくなってきていた。


やっぱり……これしかないよな。


俺は、かねてから考えてることを実行にうつすことにした。
そして、それはこの目の前の王子たちの協力なしではなし得ないことでもある。

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