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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


Miya



よく理解できないままに、この国にいることを強いられて、1ヶ月近くが経過する。

せめて、サトコさまに事情を伝えたいから、と文を書くことを願っても、もう少し待って欲しい、と言われるだけで、そのまま放置だ。

ならば、と、何度か、一人ででも帰ろうと出国を試みたが、ここの国の警備態勢はうち同等、へたすりゃうち以上のものがあり、やんわりと連れ戻されていた。

言い方かえれば、これはある意味監禁なんじゃないの?と、思うが、母さんが、そうではないの、と申し訳なさそうに呟くから……身動きがとれないでいる。



どうにも手持ち無沙汰で、しかたなく、豆から挽いたばかりです、と持ってきてもらったコーヒーという飲み物を手に取った。

金の縁取りのある濃紺のカップ。
我々の国が好んで使うものより、少し小ぶりだ。


…………にが


だが、一口飲んで、思わず、顔をしかめて舌をだした。

この黒い飲み物は、苦いばかりで、俺はあまり好きじゃない。
高級品らしいけど、これなら水を飲んでる方がマシ。

だが、この国の特産品のようで、毎食後、必ずといっていいほどこのコーヒーがでる。


……紅茶が飲みたい……


カップをそっとおき、はぁ……とため息をついて、ソファにもたれた。

座りなれない柔らかなソファのせいで、なんだか節々が痛い。
あまり眠れてないから体も重い。

暗い気分で顔をあげれば、広い部屋に美しい調度品の数々。

王族の方々の部屋は、みなこんな感じなんだな、と、サトコさまの部屋を思いだしながら、俺は目を閉じた。


どうやら、この部屋は、俺の部屋……らしい。


マサキ王子や、ショウジュン(⬅️俺の中では呼び捨てでもいい)が着てるような、高貴な衣装を着させられ、この部屋に押し込められて、ここで何日も過ごしてる。


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