キラキラ
第1章 アーモンド
「……なあ、潤」
ばさりと新聞をたたんで、翔くんがこちらをうかがう。
「……なに?」
声がうわずらないように必死に平静を装う。
「誕生日、何が欲しい?」
「………え?」
おまえ、お洒落だから、もう何を贈ったらいいかわかんねーんだよ、と笑う翔くんに、
「……なんでもいいよ」
あなたからもらうものなら、なんだって嬉しい。
誕生日を祝ってもらうだけで、幸せだから。
なんなら、翔くんが欲しいくらいで……
(……!!)
自分の考えに、自爆しそうになった。
ちょっと長めな前髪の間からこっちを見つめるアーモンド型の目に、一気に体が熱くなった。
形のいい唇が、不思議そうにとがった。
「潤?」
「あー……ちょっと冷たいもの買ってくる」
やばい。
やばい。
やばい。
この思いを気づかれまい、と、そそくさと、出口に向かおうとする俺に、
「あ、それとさ…」
何か言おうとして、立ち上がりかけた翔くんの体が、ゆらっとゆれたのが、目の端にとまった。
(え?)
そのまま床に崩れ落ちそうになった体を、走りよって間一髪で支えた。
「ちょっ……翔くん?!」
「わり……大丈夫」
「大丈夫じゃないだろ、どうした?」
よくみると、顔色が真っ白で。
触れた手は、恐ろしく冷たい。
「……寝てねえから……かな」
ぐらぐらするのか、体が支えられないみたいで、俺は力一杯抱き寄せて、楽屋の奥の畳のスペースに、横にさせた。
ばさりと新聞をたたんで、翔くんがこちらをうかがう。
「……なに?」
声がうわずらないように必死に平静を装う。
「誕生日、何が欲しい?」
「………え?」
おまえ、お洒落だから、もう何を贈ったらいいかわかんねーんだよ、と笑う翔くんに、
「……なんでもいいよ」
あなたからもらうものなら、なんだって嬉しい。
誕生日を祝ってもらうだけで、幸せだから。
なんなら、翔くんが欲しいくらいで……
(……!!)
自分の考えに、自爆しそうになった。
ちょっと長めな前髪の間からこっちを見つめるアーモンド型の目に、一気に体が熱くなった。
形のいい唇が、不思議そうにとがった。
「潤?」
「あー……ちょっと冷たいもの買ってくる」
やばい。
やばい。
やばい。
この思いを気づかれまい、と、そそくさと、出口に向かおうとする俺に、
「あ、それとさ…」
何か言おうとして、立ち上がりかけた翔くんの体が、ゆらっとゆれたのが、目の端にとまった。
(え?)
そのまま床に崩れ落ちそうになった体を、走りよって間一髪で支えた。
「ちょっ……翔くん?!」
「わり……大丈夫」
「大丈夫じゃないだろ、どうした?」
よくみると、顔色が真っ白で。
触れた手は、恐ろしく冷たい。
「……寝てねえから……かな」
ぐらぐらするのか、体が支えられないみたいで、俺は力一杯抱き寄せて、楽屋の奥の畳のスペースに、横にさせた。