
キラキラ
第33章 🌟🌟🌟🌟🌟
冷たい、と呟いた俺に、
「どうするこれ……」
サトが、お互いに出したものでびしょびしょのシーツを指差して笑う。
自国ならば、俺がいつも、朝適当に処理していたが……ここは勝手がわからない。
俺はちょっと考えて、肩をすくめた。
「……あとでマリウスにいって新しいの持ってこさせます」
「……そんなことして大丈夫?」
サトが、関係性がばれないか、というように不安げな顔になったから、俺は、安心させるようにサトの体を抱き寄せて頬にキスをした。
「大丈夫……マリウスは気づいてます。俺たちのこと」
「……え!?」
サトは、目を真ん丸にして俺の顔を見た。
俺は、サトをぎゅっと抱き締めて髪をゆっくりなでた。
「思ったより、あいつは鋭いし優秀だ。俺がどうしてこのタイミングであなたの部屋に来れたと思いますか?」
「……わかんない」
「あいつが、俺に確認にきたんです。サトコさまが明日一人で黙って帰ろうとされてます。よろしいのですかってね」
そして眉ひとつ動かさずに、あいつは俺にお湯の入ったポットを渡したんだ。
サトコさまのお部屋にお届けしてください、と、一言だけ言って。
「へぇ……そうなんだ」
詮索しない楽な奴だと思っていたけれど、行動力もあるんだなと、サトは、感心したようにうなずいた。
……いや、そこ感心するところじゃないしな。
俺はため息をつき、
「こんなに早く帰ってしまうと思ってなかったから……焦りました」
恨みがましい目でサトを見たら、サトは、俺を見あげて、ごめん……と、呟いた。
「顔見たら絶対に帰れなくなると思って……」
「残される俺の心も考えてください」
「うん……ごめん」
殊勝な顔で、ごめんと繰り返すサトを柔らかく抱く。
