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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


うなじに顔をよせると、サトのいい香りがして思わず唇をおしつけた。


「……んっ……」


色っぽい声をあげるサトを、またぎゅっと抱き締める。

この抱き心地。
この香り。
この温もり。


手を伸ばせばいつでも感じれたものが、しばらく叶わなくなる。

分かってはいるけど、やはり寂しい。
サトが泣きじゃくっていたのも仕方がないな……。


そんなことをぼんやり考えていたが、ふと一度聞いてみたかったことを思い出し、胸の中のサトを見下ろした。

ん?というように見上げてくるサトは、めまいがするほど愛らしい。
タレ気味の目元はやさしく、唇は果実のように小さく柔らかで。
線は細いし、筋肉の少ない丸い体は、女性といえば女性だ。

……だけど、体の設備は間違いなく男。
女性にあるべきものはないし、ないはずのものがある。


一度、母さんに、サトコさまは今の環境は満足なさってるか聞かれたけど、そのとき俺は大丈夫だろう、と答えた。


でも……実は、どう思ってるんだろう……?


さっきの俺を抱くサトの腕は力強く、腰をゆらす鋭い目は、本来の性をまざまざと見せつけられた。

サトは、男に戻りたいと思ったことがあるのだろうか。

……自分の性別と自分の境遇のバランスを、いったいどう思ってる?

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