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キラキラ

第33章 🌟🌟🌟🌟🌟


まぁ、でもジュンや、ショウたちにも初期の頃から、実は俺たちの関係はばれてたっていうし。

意外と、俺らって分かりやすいのかもしれないな……。
よくもまぁ、この年まで隠し仰せたものだよなぁ。


反省することしきりで、愛想笑いをしていたら、カエラが、思い出すようにふと目を細めた。


「カズね、あんまりにも国に帰りたがるから、好きなひとでもいるの?って聞いたことがあるの」

「……はい」


聞いたよ、それ。
いないっていったやつだろ。
軽くショックだったもん。


「いないって、いったの。好きなひとなんかいないって」


ほれみろ。
もういいってば。
傷口に塩塗るようなこと言うなよ。


俺が黙ってると、カエラは、ふふっと笑って、でもね、と続けた。


「愛してる人はいるって。そう言ってたわ」

「…………」

「サトのことじゃないなら……誰なんだろうなぁ」

「……さぁ」


ね、と何気なくいうカエラを見つめ返すことができなくて。
俺は、曖昧に笑ってうつむいた。
こみあげてくる思いを必死で我慢した。

今泣いたらダメだ。

俺は、唇をかんで、ぎゅっと拳を握り。


「……カズのこと。よろしくお願いします」


振り絞るように言って、礼をした。

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