
キラキラ
第34章 バースト9
風呂をいただいてから、早々と翔の部屋にある自分の布団……泊まることが増えた頃、智さんが用意してくれた……をひっぱりだし、横になる。
かずがいるのに、イチャイチャするわけにもいかないし、恥ずかしい話を暴露されて、なんだかいたたまれなくなったし、もう寝るに限るってわけだ。
怠いし。
「んだよ……まだすねてんの?」
しばらくして、風呂からあがった翔が、タオルで髪の毛をわしゃわしゃとしながら、部屋に入ってきた。
俺は、ちらりと翔をみて、ぷいっと顔を背けてやった。
「怒ってないよ……」
「うっそ。怒ってんじゃん。ごめんって……もうソファーでやんねーから」
「論点そこじゃないよ!」
バカじゃねぇの!っと、キッとして振り返ったら、思ったより至近距離に翔の顔があってびっくりする。
横になってる俺の真上に両手をついて覆い被さってきていて。
風呂あがりだからか、からだの熱が伝わってくる。
ボディーソープの匂いもする。
髪がまだ湿ってるせいか、シャンプーの香りも強くて……なんだかクラクラしてきた。
「……機嫌なおせよ」
優しく囁いて、髪を撫でられ。
どぎまぎしてると、ゆっくり翔の顔が近づいてきて、そっと唇を塞がれた。
二、三度啄むようなキスのあと、肉厚な唇が今度は目元や額に同じように押し当てられ。
こんな甘いことされると、もうなんにも言えなくなっちゃうじゃんか。
「…………」
「な?」
……もう。確信犯だ、その笑顔。
「……だから、怒ってないって」
「そーなのか?」
「……そーだよ……」
恥ずかしかっただけだよ……。
