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キラキラ

第6章 いっぱい  ~hungry ~

俺が提出した志望校には、担任も、塾の先生も、難色を示した。
誰もが口をそろえて、「もうひとつランクをおとせ」って言いやがった。

冗談じゃない。

持ち前の負けず嫌いな性格から、絶対合格してやる、と俺は宣言した。


そして。


これまでの人生で一番勉強をした俺に、見事サクラが咲いたのだった。

ザマミロ。


***** ***** *****


入学式の次の日。

部活見学の時期は、おいおい指示する、と、担任から聞いてはいたものの、俺は、なんだか、待ちきれなくて、少しだけ見るつもりで体育館に向かった。

ダンダン、とドリブルする音が聞こえてくる。

勉強、勉強で、長いこと、こういう部活という雰囲気から離れていたから、なんだかわくわくする。

入り口からだと目立つから、裏にまわりこんで開いた扉から、そっと顔をだした。

(おお………すげえ)

中学の選手よりも、部員の体のサイズは全然違う。
背も高く、体つきも大人みたいだ。

男子校だからだろうが、体育館に華やかさはなく、野太い掛け声のみが響き渡る。
それも、なんだか新鮮でドキドキした。

「なに?入部希望者?」

後ろから突然声をかけられ飛び上がった。

慌てて振り返ると、目の前には、マサキと、正統派イケメン。
首からタオルをかけ、そろいの黒いジャージを着ている。

「あ……………」

「新入生だよね?もう見学来てくれたんだ?」

マサキが言う。

ずっとずっと目標にしてきた人物が、目の前で、俺にしゃべりかけている……。

何をどう返していいのかわからない。

「あの…、すみません………」

挙げ句のはてに、思わず謝ってしまった俺に、イケメンがくすっと笑った。

「んな怖がんなよ。中入る?」

「いやっ…、いいです」

「でも興味あるんだろ?」

「…………」

押し黙った俺の肩に、マサキがぽん、と手をおいた。

「いいじゃん。俺らがキャプテンに言ってやるって。おいで」

そのまま肩を抱かれて強制連行。

(うわ……マジか)

慌てて俺より、10センチは高い位置にある頭を見上げると、嬉しそうな表情。

すっぽりとマサキの腕の中に入った俺は、されるがまま、体育館の中に足を踏み入れた。


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