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キラキラ

第6章 いっぱい  ~hungry ~

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N


マサキは、相葉。イケメンは、櫻井。あわせて櫻葉?

………笑えるんだけど。

憧れてたマサキと話ができて、俺は、完全に舞い上がってた。

体育館の壁に背中をつけて体育座り。
目の前の、先輩たちの練習を興味深くながめる。

中学とは、あきらかに違う練習メニュー。
ついていけるか、少し不安になる。

キャプテンら三年軍団は、噂どおりレベルが高い。練習中の顔が、さっきと全然違うし。

マサキは、さすがという動きだったけど、イケメンこと櫻井先輩も、そこそこやる。

二年では、この二人が突出してるよな。

二人の、息があった時のプレーなんかは、最高だろうな、と思う。

……俺も早く混ざりたい。


***** ***** *****

この学校は、私立だけあって、設備も綺麗で整ってる。

その一つが、自習室。
ひとつひとつ個人ブースにしきられていて、静かな環境で勉強できる。

入学して、はい終わり、というわけにもいかないし。
落ちこぼれにならないよう、一日を通しての細切れの時間で、俺は積極的に利用していた。

その日に出された課題も、部活を終えて家ですると、多分寝てしまうであろうから、と、昼休みに片付けるべく、俺は自習室にいた。

………が。

(……さっぱりわかんねえ)


英語なんか、大嫌いだ。

頭を抱えて、辞書と格闘していたけど、だんだん嫌になり、ついには、机につっぷした。

昼飯食ったあとだし、猛烈に眠たい。
このまま昼寝しちまおうか……。
辞書を枕に、いい感じの頭の置場所を求めて、モゾモゾしてたら。

「こら」

笑いを含んだささやき声と、微かにペチりと叩かれた頭。

「………んだよ」

眉をしかめて、顔をあげ、後ろを振り向いて一気に目が覚めた。


「マサ………相葉先輩!」

「シーーっ」

顔の前に、人差し指をたてられて、慌てて、両手で口をおおった。






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