テキストサイズ

キラキラ

第35章 屋烏之愛


「……はぁ……」

息を弾ませながら、震える手で松本の背中をつかむ。
松本に愛された唇は、ジンジンとして、感覚がなかった。


「カズ……」


松本が優しく俺の頭を撫でる。

しかし、俺はといえば、今の刺激たっぷりのキスにより、自分の体が、興奮に変化してるのがわかって、プチパニックだった。
しまいには、どうしたらいいかわからなくて、半泣きで彼の胸に顔を埋める。

松本が、ふわりと両腕で俺を包んでくれる。


「ごめんな……こんなことするつもりじゃなかったのにさ……あまりに可愛い告白きいたから」

「……いいえ」

「……怒ってるか?」

「…………いいえ」

「……どうした?」


俺が顔をあげようとしないから、松本はちょっと不安げな声になる。

でもこんなこと、恥ずかしすぎてとてもじゃないけど言えないよ……!

俺は黙って、ふるふるかぶりを振る。

体が、猛烈に熱い。
熱が出口を求めて体内で暴れまわってる。

……俺は、自分で処理するなんてこと、あんまりしないから、最後にいつ出したかなんて覚えてない。

だからこそ、久しぶりに火がついた体を、こっそり静める方法なんて見いだすことができなくて、俺は、松本にしがみついたまま途方に暮れた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ