テキストサイズ

キラキラ

第35章 屋烏之愛


「……一緒だ」


松本が呟くように言った言葉が全てを物語ってた。


「…………はい」


返事をしてみたものの……きっと、俺は多分真っ赤だろう。
顔が火照って、体が熱くて、顔をあげられない。
どうにも恥ずかしくて恥ずかしくて、泣きそうだ。
いっそ、消えたいくらいだ。

俺があまりに固まってるから、


「……なんか……俺も照れる」


松本は苦笑したように言って、照れ隠しのように、また俺を抱き締めた。

二人の間でそれぞれの熱いものが、トクン……と、脈打った気がした。

クーラーの効いてきたしんとした部屋のなか、俺たちを纏う空気だけが、徐々に熱いものにかわってゆく。

俺を包み込んでる松本の胸が、腕が、発火しそうに熱い。


どうしよう……どうしたら……


俺の息もなんだかあがってきた。
酸欠になりそうだ。


「……カズ……」

「…………はい」

「………触れてもいいか?」

「……え……と」


返事を言いよどんでると、松本の手が、密着してる隙間に入ってきた。


「…………っ……」


びくりと体が震える。

松本の指が俺のそこをそっと包んだ。

そんなとこを他人に触られるなんて生まれて初めてで……思わず腰がひけそうになったのを、松本の腕が阻止するように捕まえる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ