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キラキラ

第35章 屋烏之愛


恥ずかしすぎて目眩がする。
俺は、ぎゅっと目をつぶったまま、首を振った。


「……じゃあ……もうやめる?」


少しだけ残念そうな声がしたから、思わず顔を覆っていた腕をそっとおろした。

とたん、松本の唇が俺の目尻に触れた。
浮かんだ涙をすいとるようにキスされて、優しく頭を撫でられた。
そうして、穏やかに囁かれる。


「やっぱり、泣くほど嫌なら……また今度にするか」

「あ…………」


うそ。さっきせっかく決心したのに。

松本が嫌なわけでも、この行為が嫌なわけでもないんだけど……。

俺は、じっと松本を見上げる。
この誤解は解かなきゃと思った。

残念そうな松本に申し訳ない。



「あの……恥ずかしいだけだから…」

「嫌とかじゃなくて?」

「すごく……どうしていいかわかんないだけで……」

「じゃあ……続けても?」

「…………はい……いいです」

「よし」


松本は嬉しそうに笑い、起き上がり、なにやらごそごそして再び俺に覆い被さった。


「一緒……ってことがわかればいいだろう?」


言葉と同時に熱い塊が俺のモノに押し付けられた。
直に。


「あ……ああ!」


そうして、二人ぶんの塊が、松本の手によって同時に握りこまれ。


「やっ……あん……っ」


べとべとのもの同士が、くっついて擦りあげられて、クチュっ……と卑猥な音をたてた。

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